ようこそ人類、ここは地図。

私たちにおける、素晴らしい座標を

2018-01-01から1年間の記事一覧

10/29開催!森羅万象に優しいタイムマシーン制作室

****** 「森羅万象に優しいタイムマシーン制作室」 2018年10月29日(月)19:15スタート ※完全予約制 @吉祥寺BLACKWELL COFFEE (吉祥寺駅北口、中町通り徒歩10分) チケット料金:2000円 チケットは10月10日よりBLACKWELL COFFEE店頭で販売しておりま…

雨つろう、輪切りのユートピア(言葉によって、言葉を忘れる。すべての生き物のために)

雨は動く線だ。 誰かの思いつきのように、その線はいつも脈絡なく開始される。 線は、巨大な余白にすばやく描きこまれて、質量と運動性をもっている。 うねりながら落下し、無制限に数をふやす。 まるで、生き物のように。 白い余白が幾本もの線によって埋め…

インタビュー「森羅万象に優しいタイムマシーン制作室、では何が起きるのですか?」

ー今回はインタビューをお受けいただき、ありがとうございます。 「こういった取材というのは、基本的にお受けしていません。 しかし、タイムマシーンについては誤解も多く、一度くらいはきちんとお話したほうがよかろう、というのが今回の判断です。」 ーお…

死なないための1つの解、三鷹天命反転住宅。

この肉体が滅びてもなお、世界と溶け合ってその一部となり、存在し続けるものがあるのではないか。 それは長らく私の個人的な予感であり、時々は確信であった。 目に見えないものを、どのように取り扱えば「大事」にできるのか。 それを考える手段が、自分の…

9/24スタート!《吉祥寺発・アートを語らうラジオ番組》森羅万象に優しいタイムマシーン制作室・イン・radio

二週にわたる三連休、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 私の暮らす武蔵野は、ときおり雲り、晴れては蒸して、それでも秋。 夏の余韻はそこかしこ。 そんな塩梅の空模様が続いています。 さてさて。 先日お知らせいたしました、ラジオ番組がいよいよ本日か…

ラジオ出演のお知らせ

この夏というのは芯太く、禍々しいほどの暑さでしたね。 薄皮を剥ぐように、日に日に暑さも和らいで、道行く人の面立ちも少しばかり優しくゆるんできたような。 そんな兆しを嬉しく感じる今日この頃です。 これをお読みくださっているみなさまは、どのように…

地上の思い出は、もうおなかいっぱい。

8月7日 去年知り合った人が、私を訪ねて来てくれる。 ゆみさんと一緒に行きたい写真展がある、と言って彼女が連れて行ってくれたのは、写真家・齋藤陽道さんの個展だった。 以前から知っている荻窪の本屋「Title」さんの二階が会場になっていて、そこまで…

触れたものを、さわれるものに。

ふとした流れで、写真展へ連れていってもらった。 私の知らない、若手の写真家の方の個展。 まるでフィクションのように猛烈な暑さの中を歩きながら、緑で覆われた古く翳ったビルを探し当てると、そこは現実から切り離されたように静かで、時間はひた、と立…

空を壊す7月、生きていくために。

7月某日、熱帯的日本。 春先から続いていた手強い不眠状態に、全面降伏することを決めたのが我ながらこの夏最大の英断であったと喜んでいる。 夜明けの新聞配達のバイクの音を聞きながら、寝れぬ寝れぬと悶々と苦しみ、のたうつ孤独な日々。 その長い長い暗…

ここは魔法使いの部屋、エアコンもばっちり

夏が来たので、毎日のように部屋の中でスプーンを振り回している。 金属製のスプーンを使用していることもあり、タンスや本棚を傷つけないように注意が必要。 これがなかなかに神経を消耗するが、止めるわけにもいかない。 それもこれも夏の暑さのせいである…

はいはーい、と返事をします夏は

決して、決して、私はねこのことばかり考えているわけではなくて、何だかとても辛いこととか、出口が見えないこととか、出口というか入り口もどこだったんだ、みたいなこととか、本当にいろいろと悩ましいことがありすぎて、息できない、みたいな感覚になっ…

すてきな虚栄心、パルムドールとは距離を。

6月某日、梅雨入り。 頭の中で急に文章がはじまる。 ためしにノートパソコンにて視覚化してみると、いよいよそれは新しい小説のかっこうをしている。 いやはや。 春先からふくらんでいた小説の構想がいよいよ食べ頃、もとい書き頃を迎えたのであるな、と納…

お弁当箱に核燃料が。村上春樹も三島由紀夫も。

恋人に勧められて日本の文学小説を読み始めたのは、15歳の夏休みであった。 初心者の私でも読めるだろう、と最初にレコメンドされた作品は、 三島由紀夫『仮面の告白』。 そして、村上春樹『ノルウェイの森』。 2作ともある意味リーダブルな作品ではあった…

面会の効用、渋谷の養老天命反転地。

5月中旬某日。 引きこもっている。 人間との対話に乏しい毎日。 茶店での注文やよろず屋での挨拶を除けば、話らしい話をしていない。 社会性という筋肉がこのまま衰えて戻らないのでは。そんな不安が芽生え、なかば無理やりに出かけてみる。 近隣の書店で行…

子を憎んでも、母。

親になる事とは、無縁で生きていくのだと思っていた。 命を預かり、守り、育むという仕事が自分の人生に舞い込むことを想像して楽んだ日もあったが、それはもはや遠い過去の話である。 改めて人生を振り返ってみれば、結局親になる事はいつも自分から遠かっ…

日々の腑分け、ギリシャ人のスープ

5月7日。 2月頃から首の調子が悪い。 歯磨き時のうがいの姿勢がもう辛く、読書の姿勢をキープするのも次第に困難になってきた。 整体やマッサージ店に足繁く通うも毎度「手に負えないですね」と重症であることを示唆されるのに飽きて、根本治療を決意する…

三鷹、世界とバレリーナのための喫茶店。

中央線の高架工事ですっかり様変わりしてしまった他の駅と違って、三鷹駅はまだかろうじて昔の佇まいを残している。 それが私には救いのように思われる時がある。 小学生の頃、バレエのレッスンのために電車を乗り継いで、三鷹駅前の小さな稽古場にひとりで…

小説という肉体、抱擁のために

「小説」は現実の世界に足を踏みしめながら楽しむことのできるフィクション、だと思っている人も多い。 「小説」は物語で、謎解きで、歴史や世界を教えてくれる情報源。感動の装置。 世間では、広くそのように考えられているように思う。 この現実世界を構成…

春を呪えば、これがデビュー。

年末頃から始まった小説をなんとか書き上げて、制作中の疲労をまとめて清算する毎日である。 三ヶ月間、延々と机に座りノートパソコンの鍵盤を弾き鳴らしていたせいで、首と背中を痛めた。 酒も煙草も阿片の類も遠ざけていたかわりに、飲食の回数は無駄に増…