ようこそ人類、ここは地図。

私たちにおける、素晴らしい座標を

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

お弁当箱に核燃料が。村上春樹も三島由紀夫も。

恋人に勧められて日本の文学小説を読み始めたのは、15歳の夏休みであった。 初心者の私でも読めるだろう、と最初にレコメンドされた作品は、 三島由紀夫『仮面の告白』。 そして、村上春樹『ノルウェイの森』。 2作ともある意味リーダブルな作品ではあった…

面会の効用、渋谷の養老天命反転地。

5月中旬某日。 引きこもっている。 人間との対話に乏しい毎日。 茶店での注文やよろず屋での挨拶を除けば、話らしい話をしていない。 社会性という筋肉がこのまま衰えて戻らないのでは。そんな不安が芽生え、なかば無理やりに出かけてみる。 近隣の書店で行…

子を憎んでも、母。

親になる事とは、無縁で生きていくのだと思っていた。 命を預かり、守り、育むという仕事が自分の人生に舞い込むことを想像して楽んだ日もあったが、それはもはや遠い過去の話である。 改めて人生を振り返ってみれば、結局親になる事はいつも自分から遠かっ…

日々の腑分け、ギリシャ人のスープ

5月7日。 2月頃から首の調子が悪い。 歯磨き時のうがいの姿勢がもう辛く、読書の姿勢をキープするのも次第に困難になってきた。 整体やマッサージ店に足繁く通うも毎度「手に負えないですね」と重症であることを示唆されるのに飽きて、根本治療を決意する…

三鷹、世界とバレリーナのための喫茶店。

中央線の高架工事ですっかり様変わりしてしまった他の駅と違って、三鷹駅はまだかろうじて昔の佇まいを残している。 それが私には救いのように思われる時がある。 小学生の頃、バレエのレッスンのために電車を乗り継いで、三鷹駅前の小さな稽古場にひとりで…