紫陽花型の爆弾を作ろうと思ったけれど
紫陽花というのはたちまちに滅びて
ピカピカとはしておられぬ性質らしく
紫陽花型の爆弾を仕掛けたところで
爆発までのしばしの期間
ちっとも枯れていかぬのは
怪しいぞ怪しいぞなんて
顔を覆いたくなるほどに怪しまれてしまうのが
目に見えているので
紫陽花型の爆弾を作るのはもう中止です。
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「ものもらい」になった時に備えて
第三の眼があったら便利に違いない。
両眼が赤く膨れ上がって視界10パーセントに
なってしまった時でも
ポケットからサッと第三の眼を取り出して
しかるべき位置にスチャリと装着すれば
こりゃ便利。
見えるぞ見える眼が見える。
一人一球、予備の眼を持とう!
問題なのは 、
人は何時何処で「ものもらい」に罹るのか、
まったく予想がつかないという事で
あ!かかったな!と思った時には
戸棚の中で長いこと忘れられていた第三の眼は、
ふさふさカビを生やして
毬藻状の物体になっているかもしれぬのです。
そんなふさふさした目玉を見るのは忍びないので
第三の眼はもう用意しなくていいです。
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親切なおにいさん。
酔っ払った友人知人を道端で介抱していると
袋状のものを差し出してくれる親切なおにいさん。
コインランドリーで小銭に困っていると
200円と粉末洗剤を恵んでくれる親切なお兄さん。
夜中に恋人と喧嘩をして裸足で外に飛び出すと
何も言わずに朝までそばに居てくれる親切なおにいさん。
おにいさんはいつも同じ迷彩柄の服を着ているので
すぐに「親切なおにいさん」だと分かります。
けれど近頃、
おにいさんがちょっと親切すぎるんじゃないか
という気がだんだん我々はしてきたので
お兄さんの親切は当分は自粛してほしいです。
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一人称の貸し出しについて。
一人称を人に貸していたところ結構利子がついて
返ってくるのが意外です。
返却済み一人称を、たまに自分が使おうという段になって
随分と使い勝手がよくなって
言いたいことをツイツイっと言葉にできたりして
何が違うんだろとうんうん考えると
貸し出す前よりも一人称が油を差したみたいに
饒舌でちょっと「うわて」になっているようなのです。
シャンプーなんかも違う種類に変えると
もともとの成分以上に効果がよくでて髪イキイキ
と評判だけど
一人称もたまに他の人に使ってもらうと
いい刺激になってツヤツヤしてくるんですね。
なので、一人称の貸し出しはまだ続けます。
本日の議題については以上です。
次回の開廷は100年先です。