ようこそ人類、ここは地図。

私たちにおける、素晴らしい座標を

あふれだす映画

いつの世も愛は事件。大島渚『愛のコリーダ』

大島渚監督の「愛のコリーダ」を観た。 かの阿部定事件をモチーフにした本作は、日本的な極彩色の様式美を随所に散りばめた絵作りと、それを額縁のように引き立てる廓遊びの和の音色が美しい。 好奇をそそる男女の行く末を見届けるのにまったくふさわしい舞…

村上春樹×市川準『トニー滝谷』例えば漫画のコマ割りをどうやって映像化するのか。

けっこう映画化されている村上春樹 村上春樹の小説は、短編・長編ともに何作か映像化されている。 私も全部を観たことはない。 映画館で観れたのは、『ノルウェイの森』と『トニー滝谷』だけだ。 それでもネットで調べてみると、1981年にはデビュー作『風の…

『赤い航路』×『ラスト・タンゴ・イン・パリ』 巨匠が作る愛の模型。

ロマン・ポランスキー監督『赤い航路』 ベルナルド・ベルトルッチ監督『ラスト・タンゴ・イン・パリ』 この2作品を日替わりで鑑賞。 性描写が多く直接的であるがゆえに、2作品とも「究極の愛とエロスを描いた問題作!」みたいな紹介をされている。 けれど、…