2017-07-08から1日間の記事一覧
晩に食べる米がなくて両親が揉めているなどというのは少女時代ありふれた日常の1コマであったが、今にして思えば家庭経済がそれなりに逼迫していたという事実をよく表している。 経済がうまく回らないとなると、どんな人間も余裕をなくすのは世の習いであろ…
最近になって、2011年に芥川賞をとった朝吹真理子さんの「きことわ」という小説を読んだ。 いつまでも読み続けていられるような、にごりのない、透徹した文章世界に引き込まれ、切り取られた見知らぬ人の人生を、ほんの束の間生きて味わっているかのような心…
考えようによっては重たく、見る人によっては取るに足らない、そんな持病をこの二十年来、ぶら下げて生きている。 医者にかかって処方箋をもらうこともできれば、自力でなんとか見て見ぬふりの痩せ我慢をできないこともない。そういうたぐいのものである。 …