旅に出たくないのには色色わけがある。 まずは遠方へ出かけるほどに住み慣れた屋敷から肉体が離れ、その物理的な距離の巨大さにおののく心はぽきと折れ、つまりはこの身を貫く太き自宅愛ゆえのホームシック。 同行の人間たちが息をのむ素早さで我が家を懐か…
夏目漱石の『こころ』を再読している。 初めて読んだ高校生のとき以来、『こころ』は何度か読み直している作品。 二十代のはじめ。三十代の半ば。 もはや覚えていないタイミングでの、数行の拾い読みも合わせると、好きな映画を折に触れて見直すような感覚で…
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